月刊ガンダムエース2010年7月号 機動戦士ガンダムUC From UC's Staff room 設定考証・小倉信也、文芸制作・高橋哲子、設定制作・関西良二インタビュー 要約版
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設定考証・小倉信也
「UC」のあらゆる部分に関わる人物
・アニメ、小説ともに時系列に沿った太陽光の方向を照明設定しています。
・月や地球の満ち欠けや方向がどちらか。
・たとえば、第1話冒頭でガランシェールから見える地球がなぜ影が多いかというと、日付の設定から月側から見える地球の姿を割り出した結果が、実際の画面に反映されているからなんです。
・小説で作品世界の骨子を私が構築したこともあって、アニメ版でもそれをベースアイデアとしています。例えば、インダストリアル7は、池田繁美さん(美術設定)が描かれたスペースコロニーを踏襲しつつ、21世紀の最新版としてデザインしたものです。
・インダストリアル7は特殊な舞台設定を内包しているので、それを考慮したうえであの外観になっています。
・アニメでもそれがベースとなっていますが、芝居の上で詳細を詰める部分が発生して、新たに設定を起こす必要がありました。
設定のコンセプトデザインを自分で起こすことも多くて、そこがほかの設定考証の方と違うところかもしれませんね。
・設定考証はライターさんが多いのですが、テキストのほかに具体的なビジュアルがあると絵コンテを描くときに楽なんです。
・だから古橋監督が、スタジオで絵コンテを描かれているときは、私もいるようにしています。
→冒頭のメカは宇宙世紀にはなかったディテールでできている。宇宙世紀元年はMSが闊歩する時代の入口に人類がやっと立てたところでもあって、その意味も含め、現実の宇宙開発の延長線上にあるコンセプトでデザインされている。
→冒頭現れる、建設中の第一号コロニー。このコロニー外壁の背景原図も小倉さんみずから手がけている。
→首相官邸ラプラスは3DCGであるが、そのCG作成のための原図を小倉さんが描いている。
→密閉型のコロニーにコロニービルダーが取り付いた形のインダストリアル7。小説連載時に参考用として小倉さんが3DCGモデルを作成。アニメでもそれがベースとなった。
→車道がコロニー内壁を斜行するようにはしっている。これはコロニーが回転する中を車が走る場合、斜行するほうが楽だという考証に基づいたもの。これまでのコロニーとはルックスにおいても決定的に違っている。
文芸制作・高橋哲子
シナリオの進行管理にメディアの文字校正まで
・文芸制作は、大まかにはシナリオからアフレコ台本までの進行管理になるのですが、TVや映画・OVAでは、やっている仕事の幅も大きく違ってくるので一概には説明しづらいですね。
・「UC」に関しては計6本ということで、今回の場合は小杉プロデューサーが中心となって、ストーリーの福井晴敏さん、脚本のむとうやすゆきさん、古橋監督とコンタクトを取りつつシナリオの作業を進めています。
・私は文芸制作として彼の補佐みたいな感じでやっていますね。
・シナリオ会議に参加して打ち合わせの内容を把握しておいたり。
・プロデューサーのフォローをしていくのが私の仕事かなと思っています。
・「UC」は海外同時配信、英語吹き替え、六ヵ国語字幕と今までにない規模での海外展開となっています。そのうえで各国語の翻訳をサンライズの海外営業部で管理・コントロールしていますが、「ガンダム」には独特の用語がありますよね。それらをまず英語圏のネイティブの方にチェックしていただきつつ、たとえば軍事用語が正しく翻訳されているかどうかも設定考証の小倉さんに見ていただいたりしています。
・音声関連のほかに、画面内のモニター類も英語表記のため、モニター類の制作担当からデザインを預かり、海外営業部に逐一確認して貰っています。
・第2話では、むとうさんが小説2巻分を1話の中にまとめるのにものすごく苦労されていたんです。第2話も相当な物量でエピソードもいっぱいある話なんですが、それを小説的な技法ではなく、シナリオ的な技法を駆使して“編集”している感じになっています。
・シーンの描写もものすごく綿密で、むとうさんのシナリオは、TVとは違うハリウッドみたいな書き込み量になっているんです。3、4話でもテクニックに磨きがかかっていて、ここ2年の間に対「UC」のシナリオ化スキルが格段で上がってらっしゃる気がします。
→MSコックピット内のコンソール画面も、大画面のハイビジョン映像なら、表示される英語も読めてしまう。スペルだけでなく単語の意味も設定考証の小倉さんのほうでチェックされている。
設定制作・関西良二
膨大なガンダムの知識が必要な「UC」の設定制作
・画稿やテキストを含めた設定の管理をするのが主な仕事です。
・シナリオや絵コンテなどで登場が確定したキャラやメカなどのデザインをどなたにお願いするかを決めて発注し、その後の納期の調整や交渉を各デザイナーさんとやりとりをしてきます。上がってきたデザイン画は「設定」として体裁を整え、各スタッフへ配布していきます。
・「UC」は宇宙世紀の物語ですので、シーンによっては過去のガンダム作品に関連した場面も出てきます。今回一番気をつけている部分なのですが、「UC」をご覧になる方は、我々以上にガンダムに詳しい方もおられますので、宇宙世紀の世界を壊さないようにしつつ、「UC」のディテールをアップしていくのは大変でもあり、また設定制作の醍醐味でもあります。
・やはり「ガンダム」という特質なのでしょうか。映像に出てこない、小説にも記載されていない部分で設定をフィックスする必要がありました。MSでいうと全高や重量はもちろんなのですが、武器名などの詳細なスペックを、デザイナーをはじめとしたスタッフと調整しつつ決め込んでいます。
・(バンダイHGUCのキットに封入されている)インストのテキストは、すでに設定が存在する前後の作品ともつじつまが合うものにしないといけません。たとえばロトは「F91」に登場するガンタンクR-44と同じ系譜に存在する機体です。「F91」は「UC」から27年後が舞台ですが、なぜ小型MSのロトが「UC」の時代に存在するのか。そこの整合性を取りつつインストでは解説を書かせていただきました
・(設定制作の作業はすでに第4話に入りつつある)細かい見どころでいうと今後の話数では、小説が描写しているシーンからちょっと視線を外して、別のところにもカメラを向けています。そこには原作未登場のMSや武器が描かれているかもしれませんよ(笑)。第2話も旧作のファンの肌が粟立つような仕込みが隠されていますので、楽しみにしていてください。
→ジンネマンが携帯していた銃も、彼が古参のジオン兵士であることを踏まえて、ジオン軍制式銃ナバン62式にしている。カーディアスの拳銃も「0083」に登場したAE製のもの。
→ダグザが持っていたバズーカは「F91」で登場したもの。形式番号が「HMR-96」という設定で、U.C.0096年に制式採用されたと解釈すると、彼が使うにふさわしい火器といえる。
→HGUCスタークジェガンのインストには、シナリオの打ち合わせで出てきたアイデアをもとに関西さんが書いたショートストーリーも掲載している。ぜひ一読を。
原帖由
zlzlp 于 2010-5-24 18:55 发表
夏亚要登场?CCA BEYOND THE TIME就是那个外传?
是