腐った世界は変える必要があるのさ
次の百年を人類が生き延びるために
■今号はようやくフル・フロンタルが登場。といっても最後の方でチョロッと出て来る程度でしたが・・・、今回の主役はどちらかというと、ネェル・アーガマのオットー艦長かな? 彼の立ち振る舞いにオイシイところを持っていかれ、主役のバナージは影が薄いね。
なお、ユニ・ブロ1ページ内では、「キャラホビ2007」で上映予定の、ユニコーン・プロモーション映像の製作現場について。このPVは2007年9月発売予定単行本に合わせて、全国書店店頭や、TVCMでも上映される予定とか。MSのアクションだけでなく、キャラクターも描かれていると嬉しいのですが・・・でも、イボルブ9みたいに変なCGキャラクターとかなら嫌だけど。
また、カトキハジメによるメカ解説ページ2頁は、ネオ・ジオン主力機「AMS-129 GEARA-ZULL(ギラ・ズール)」について記載。
01.挿絵について
■今号の安彦先生の挿絵はカラー1点(扉絵1点)、白黒5点が掲載。
■扉絵は迫りくる「シナンジュ」とフル・フロンタルの二分割画面。オリジンのコミックス1巻ラスト、シャア襲撃場面を思い出しました。
■2点目の挿絵は、マリーダの肩にセクハラする触れるジンネマンの図。マリーダはオヤジが好みなのか?
■3点目はギラ・ズールを背景に、敬礼するアンジェロと、直立不動のキュアロン&セルジュ。ギラ・ズールがちょっと横幅広すぎてデブに見えますが・・・。
■4点目はバナージを一室に引きずりこんだオードリー。向かい合う二人の図。あまり感慨為し。
■5点目の挿絵は突然の衝撃に投げ出されるオットー&ダグザ&レイアム。レイアムはゴツイので最初アルベルトかと見間違いました。
■6点目はコロニーの残骸から浮上するネェル・アーガマの図。ちょっと本の折り目部分と重なるので見難いんですよね。この位置に掲載するのはやめてほしい。
02.物語について
■今月号は待避行動中の[ネェル・アーガマ]クルーの描写、特にオットー艦長など、ブリッジを中心に展開。そして、それを追う[レウルーラ]、フル・フロンタルの[シナンジュ]の追撃まで。
■コネ無し・人望無し・運も無し
コロニーの残骸に潜む[ネェル・アーガマ]に未確認物体が迫りつつあるところからスタート。結局アンノンはサラミス級の残骸だった。ホッと緊張が解けるアーガマのブリッジ。戦闘が起こって以降、参謀本部から指示された「待避」と「待機」。この指示に従うオットー艦長だが、一向に増援部隊が来る気配が無い。打つ手の無い状況、エコーズのダグザや、アナハイムのアルベルトに囲まれ辟易する気分、周りのクルー、特に副長のレイアムとも気が合わず・・・暗澹たる思いと苛立ちから、オットーは大きな判断ミスを犯してしまう。
うだつの上がらない中年男、オットー艦長の悲哀を描写(笑) 作戦に失敗した彼は既に参謀本部から見放されている状態、生きて帰れる保証も無く、周囲はいがみ合い、クルーからの人望もない、髪の毛もない・・・とまあ、なんとも救えない状態なのです。でもこの人、めげずにリディを利用して脱出案を練るところなんかは、抜け目無いところもあったり、今後どのように動いてくれるのか楽しみなキャラクターです。
■追撃する[レウルーラ]
一方、「箱」の行き先を[ネェル・アーガマ]とみたネオ・ジオン。オットーの判断ミスで居場所の知れた[ネェル・アーガマ]に追撃をかけます。追うのはフル・フロンタルの乗艦、[レウルーラ]
ここで登場するのは、フロンタル親衛隊長のアンジェロ。血気に溢れ、理想に情熱を傾ける彼は、シャアの再来と呼ばれるフロンタルに心酔している様子。この手のプライドの高そうなタイプは躍起になるけど、結局主人公にコテンパンのされるパターンが多いのだが。はてさて、この先どのような活躍をするのか?
■アーガマでの再会
再びアーガマへ場面は戻り、再会するバナージとオードリー。オードリーはバナージにユニコーンを持ち出すように誘う。結局、その場に現れたミコットに話を遮られてしまうが、ついに嫉妬に燃えるミコットはオードリーのことをダグザにチクってしまう・・・。
オードリーにすれば、世界を戦争に導く(と思われる)危険な「箱」に関係するユニコーンを葬り去りたい気持ちで一杯なのだが、バナージにしてみれば、一方的で身勝手な要求に振り回されるだけ。カーディアスも、アーガマで出会った人も同じように一方的だった。怒りがこみ上げる感情と、一方でオードリーと共感したいという思い。彼女の熱い思いが自分にも届けば、オードリーのためにアーガマを抜け出し、世界の重みを引き受ける覚悟も決意できるのに、とバナージの心の葛藤が続く。
正直今のところ、オードリーの魅力は感じられないので、今回のバナージとの再接触もなんとなく冷めた気持ちで読んでます。こんな自己中な娘に惹かれてしまうバナージはマゾなのか?いずれにしろ、悩みを抱えるバナージはちょっと真面目すぎて堅苦しい感じ。まあ、そこでリディみたいに軽口たたいてる人が対照的に生きてくるんだろうけどね。
余談ですが、ダグザがオードリーの顔照会に使ったデータベースは、今でいう「顔ちぇき」みたいなシステムなんですかね?(笑)
■策士オットー
窮地に立たされている、[ネェル・アーガマ]、ピンチ脱出のために、リディを利用することを思いつく。リディの父親は大物議員。議員に息子から連絡が届けば、そのルートから救援が来るかもしれない・・・。
結局いやいやながら、e-mailを書く羽目になるリディ。このあたりのオットーとのやり取りなんかが今号で一番面白かったかもしれない。特にモニター越しのオットー艦長のウインクにはワロタですよ。なんだか知らない間にリディはお笑い担当になっているのかもしれない。
■フロンタル襲撃
随分と気を持たせて、ようやくフル・フロンタルの登場。迫りくる赤い機体、三倍の速度、そして「見せてもらおうか、新しい[ガンダム]の性能とやらを」というセリフ。ファースト・ファンを意識したものなのか、福井氏のファーストへのオマージュなのか・・・?
今までの展開も、かなりファーストの展開とダブらせているところがあり、意識してやってる部分なのだろうが、セリフまで一緒なのはいかがなものか?少しいき過ぎな気もしますね。それとも、同じセリフを吐くぐらいの人物・・・「シャア・クローン」みたいなネタ仕込んでるだろうか?クローンネタはちょっとやめて欲しいけど。
正直ストーリーは充分面白いと思うから、あんまりファーストの展開を踏襲することに、固執しなくてもいいと思うのだけど。それとも、サンライズとか角川の横槍があるのかな?
フル・フロンタルの乗機、[シナンジュ]は、アナハイムから強奪されたMSだった(アルベルト談)という事実、当時2機強奪された模様で、1機はパーツ抜き取り用なのか?、それとも今後マリーダが乗ったりするのだろうか?
シナンジュのデータが、RX-0ユニコーンの開発にも生かされているという話なので、今後互角の戦いを見せてくれるのでしょうか?まあ、圧倒的な強さで他を寄せ付けない展開より、面白いバトルが見れるでしょうけども。
さて、次号ではユニコーン出撃はあるのかな?フロンタルの活躍も見てみたいし・・・ちょっと先の展開が読めなくなってきた。また1ヶ月も間が空き、次号が待ち遠しいけど、映像化や単行本化も控えていて、楽しみが増えましたね。
2007/07/29 shinji
03.登場人物ほか用語一覧
- IFF・・・敵味方識別信号
- ホマレ・・・ネェル・アーガマ乗員 MSパイロット。リゼル四番機に搭乗。中尉。
- ボラード・・・ネェル・アーガマ ブリッジ要員 通信長
- レウルーラ・・・新生ネオ・ジオンの旗艦。 元シャア総帥の座乗艦だったため、船体色は真紅。。船体形状は細長い二等辺三角形、曲線を多用した生物的フォルム、両舷に6基づつ装備した球状の推進剤タンクが卵のように見える。旧ジオン公国軍が建造したグワジン級の意匠を引き継いだ直径艦とも言える。艦載するMSの数は10機、ギラ・ズールが主力機。
- ヒル・・・新生ネオ・ジオン レウルーラ艦長 大佐
- シャア・アズナブル・・・ジオン・ダイクンの遺児にして、かつて連邦を震え上がらせたジオンの赤い彗星。第二次ネオ・ジオン戦争「シャアの反乱」で行方不明に。
- キュアロン・・・フル・フロンタル親衛隊メンバー。中尉。20代前半。すらりとした長身に金髪。
- セルジ・・・フル・フロンタル親衛隊メンバー。少尉。20代前半。緑がかった瞳が涼しい。
- シナンジュ・・・MSN-06S フル・フロンタル搭乗機。曲線を多用したジオニズム的意匠、優雅かつ洗練されたフォルムを持つ真紅のMS
0094にアナハイム・エレクトロニクス社が開発した実験機だが、輸送中に強奪された。強奪されたのは2機存在する。RX-0もシナンジュで採取されたデータを元に造られている。 - ロンデニオン・・・ロンド・ベル司令部。
- スカウト・カメラボール・・・ケーブルで遠隔操作する複合センサー。
[
本帖最后由 P 于 2007-8-23 18:27 编辑 ]